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卵(波)

41,800円(税込)

定価 41,800円(税込)

在庫状況 1個

購入数
■大きさ 約高さ21mm・幅16mm
■重 さ 7.5g
■素 材 アンダラクリスタル(エチオピア産)・木灰
■制作年 2021年2月



【 作品について 】

エチオピア産アンダラクリスタルと木灰で卵を作りました。

2020年から徐々に卵の形のなにかを作りたくてしょうがない衝動が湧き上がってきており、卵シリーズを作るに至りました。なぜ卵なのか、と自問自答してみると「育み」というのがキーワードになって浮かび上がってきます。
コロナにより世界中でかつてない大変化が起こっている現象は、まるで荒野に鍬を入れて耕しているように、新世界を育てるために今までの世界を掘り返してやわらかくしているようです。

卵にはそれぞれ名前がついています。この卵の中の模様は、波打ち際の波のような動きをしています。波が砂浜に砕け散るときの、回転する動きと波が砕ける上から下への動き。そして気泡があり、それはぷくぷくと砂浜から出てくる泡のように下から上への動き。波打ち際の一瞬の景色が入っているので、この卵は「波」という名前をつけました。



【 作品誕生の経緯 】

エチオピアのアンダラクリスタルを手にしたとき、なぜか「人類って面白い!」という興味と、もっと人類について知りたいという衝動が体の奥底から込み上げてきてどうしようもありませんでした。思えばエチオピアはあのルーシー(初期人類の骨格化石。全身の約40%にもおよぶ骨がまとまって発見され、ルーシーと名付けられた)が発見された所です。

この原始的な命のエナジーを感じるアンダラクリスタルで人類の子宮を表現した杯を制作しました。卵はその深海の杯いのちの制作時に生まれた偶然の産物のようなものです。というのも、ポンテ竿と呼ばれる竿にアンダラクリスタルをつけるには竿の先端にも玉状のアンダラクリスタルをつける必要があります。杯を作る工程でたまたま生まれたパーツを見て閃いたので、卵は子宮の杯の続編のようなものです。

この卵は竿につけ回転させながら成形した後、研磨しさらに美しい卵型に磨き直しています。



【 エチオピア産アンダラクリスタルについて 】

アンダラクリスタルはガラス質ですが、そもそもアンダラクリスタルは炉で熔かすことができるものなのか、どうなるのか…色々とやってみるしかありませんでした。

やってみると私たちの知るガラスとは性質が大きく異なるものでした。
作るたびに熔ける温度が違う、という摩訶不思議な性質をもっています。熔ける温度が違うということは、毎回ガラスの種類が異なるというぐらい作り手にとっては大きなことです。その点以外にも、冷めるのがとても早かったり、小さい塊より大きい塊状の方が早く熔けるなど、アンダラクリスタルの扱いは臨機応変な素早さと正確さが必要でとても集中力がいる作業となります。


ー 木灰という魔法の粉 ー

この卵にはアンダラクリスタル成型時に木灰を入れています。

初めてアンダラクリスタルをとかして制作を試みる前、アンダラクリスタルと同調し感じてみました。そこで、木を入れるというアイデアがスッときました。80年ほど前から受け継がれてきているブナ科の木灰があったのでそれを使用することにしました。アンダラクリスタルが熱くなっているとき、魔法の粉のように灰を振りかけています。

エチオピアのアンダラクリスタルは風のようでもあり精子のようでもあると感じます。そのアンダラクリスタルが木の灰という大地の要素と交わるとアンダラクリスタルは一気に変わります。色など見た目こそ同じですが、「在る」という存在感に圧倒されます。手にすると言葉にならない純粋な愛の感情と感謝が湧き上ってきました。


― エチオピア産が貴重な理由 ―

アンダラクリスタルはアメリカ産とインドネシア産のものは市場でよく出回っています。しかしエチオピアでアンダラクリスタルが見つかっているということはあまり知られていません。というのもエチオピアで採掘されたものを輸出するのは大変で、まず市場に出回らないからです。

そんな中、私の友人がエチオピアに赴き、エチオピア政府と交渉をし正式に輸出できる契約を結べました。予防接種を受け現地でお腹をこわし…文字通り体を張ってくれました。ただ、アンダラクリスタルは採掘されてもオパール等が優先的に採掘地から運ばれてくるなどといった事情もあり供給もなかなか安定しないのが現状です。



※アンダラクリスタルは繊細なので優しく丁寧にお取り扱いください。
※ご購入後の責任は一切負いかねます。

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